骨造成

GBR（チタンメッシュ）

骨が薄いと、インプラントを埋入できないことがあります。
そこで、骨を増やすのに、自分の骨を他の部位から採取して、移植します。この移植した骨を固定するのに、吸収性・非吸収性のメンブレン（膜）やチタンメッシュを使います。チタンメッシュを使用すると、大幅な骨造成が可能となります。

前歯部に、下顎から採取した自分の骨とβ−TCPを移植して、チタンメッシュで固定します。インプラントを埋入できる部位には埋入しておきます。

ソケットプリザベーション

抜歯した部位に何もせず、待った場合，抜歯窩に骨が新生されるのが長期化し頬側骨の喪失が伴うといわれています。ソケットプリザベーションを行うことでインプラント埋入時の骨量，軟組織が確保できる場合があり，有効性が注目されています。

サイナスリフト

上顎臼歯部を支えている骨の上には、上顎洞（副鼻腔）と言われる空洞があります。蓄膿症の膿が溜まる空洞と言えば想像が付くかもしれません。
歯が無くなってしまうと、骨は時間が経つにつれて吸収していってしまいます。骨が無いところにインプラントは埋入できません。もし、無理にインプラントを埋入すると、インプラントの先端が上顎洞に突き抜けてしまい、 インプラントが感染したり、上顎洞炎を引き起こしてしまう可能性があります。
では、どうするかというと、骨の無い部位に骨を作ることが必要です。
この手術が、サイナスリフトです。

増やしたい部位の骨に、下の写真のように小窓をあけます。小窓をあけると、薄い粘膜がありますので、その粘膜を丁寧に上方に押しやります。できたスペースに移植材（オスフェリオン）を填入して、閉じて終了です。インプラントを埋入するまで、半年近く待ちます。
症例によっては、この手術と同時にインプラント埋入をすることもあります。

●β−TCP　（人工骨）
β‐ＴＣＰは、リン酸三カルシウムCa3(PO4)2を主成分とした骨補填剤です。骨の無い部位にβ‐ＴＣＰを移植すると、その形状を維持しながら吸収され、自分の骨へと置き換えられます。
当院では、オリンパス社が製造しているオスフェリオンRを使用しています。生体適合性が高く、優れた骨伝導能（骨を呼び込み、骨形成を促進する性質）と吸収性を併せ持っています。
サイナスリフト・ソケットプリザベーション・GBRなど、様々な部位の骨造成に使用します。

●テルプラグ
テルプラグRは、若い牛の真皮からできたアテロコラーゲンです。 アテロコラーゲンは生体適合性に優れており、創部の周辺組織から血管や組織が侵入し、組織を再構築していきます。また抗原性はほとんどありません。 BSEは問題ないとされております。皮膚や口腔粘膜欠損に広く使用されている「テルダーミス真皮欠損用グラフト」をもとに開発されたものです。
歯科医院で、抜歯後に強いうがいをしないように言われたことがあるかと思います。抜歯した部位の血の塊が取れてしまうと、骨が露出して、感染を起こし、治癒不全が起きるからです。血の塊が、肉となり骨になるのです。
これまでは、抜歯後、自然治癒にまかせたり止血材を挿入していました。テルプラグを挿入することで創部を止血し、食べ物などの迷入を防止するとともに、腫れや痛みなどの不快感を緩和します。また、治癒のスピードが速くなり、抜歯した部位が陥凹するのも減少できます。
このため当院では、インプラント予定部位に多く使用しています。

サイナスリフトの症例

初診

２０代　女性
右上の歯を抜歯して、無くなってしまってます。インプラントを埋入するための骨が、ほとんどありませんでした。 上顎洞までの骨の厚さは、１〜２ミリでした。

骨が無いのでサイナスリフトを行って、骨ができるのを待ちます。

骨ができるのを待っている間に親知らずを抜歯しました。

インプラント埋入
約半年後、骨が１〜２ミリほどだったのが、１３ミリほどに増えていたので、１１ミリのインプラントを埋入しました。

インプラントに土台（アバットメント）をSETしたところです。

インプラントに仮歯をSETしたところです。

技工士さんに、歯（上部構造）を作ってもらいます。

インプラント上部構造SET後

術後

参照（術前）

★インプラントって何？

★インプラント治療の流れ

★インプラントの症例

★静脈内鎮静法